伝心法要 第四十六

語録提唱

伝心法要 第四十六

2018-08-12

若し也た此の意を会得せば、方に知んぬ、仏道魔道倶(とも)に錯まることを。本来清浄、皎皎地にして方円無く、大小無く長短等の相無く、無漏無為にして迷無く悟無く、了了として見るに一物無く、亦人も無く亦仏も無し。大千世界は海中の泡、一切の賢聖は電払の如し。一切は心の真実なるに如かず。法身は古より今に至るまで仏祖と一般なり。何処にか一毫(ごう)毛(もう)を欠少せん。既に是の如き意を会せば、大に須らく努力(つとめ)て今生を尽くし去れ。出息は入息を保たざるべし。

若し也た此の意を会得せば、方に知んぬ、仏道魔道倶に錯まることを。
ここを会得すれば仏道も魔道もない。
本来清浄、皎皎地にして方円無く、大小無く長短等の相無く、了了として見るに一物無く、亦人も無く亦仏も無し。
皆さんは本来清浄です、すでに悟っている。釈尊の悟りとは、元来悟っていた自分を確認しただけです。皆さんも同じです。すでに悟っている。自覚のない仏です。それは月光のように輝き、すべての相対性を離れている。そこには何もない、無いという物もない。
大千世界は海中の泡、一切の賢聖は電払の如し。
大宇宙は、海の泡のようなかりそめの物であり、すべての聖人たちも稲妻のように一瞬の存在である。
一切は心の真実なるに如かず。
心の真実。成りきり、徹したところです。一枚のところ。それさえ体験すれば良い。
法身は古より今に至るまで仏祖と一般なり。
その成りきったところ、世界と一体になった境地を法身と言います。これは、釈尊や祖師方と同じである。
数息観を行っている人は、数と一体になる。無字をやっている人は、無―と。その一枚の境地は仏祖と何も違わない。
何処にか一毫毛を欠少せん。
何一つ欠けたところはない。
既に是の如き意を会せば、大に須らく努力て今生を尽くし去れ。
生きているうちに、これが会得できるよう努力しなさいと。すでにそうある自分に早く気づけと。
出息は入息を保たざるべし。
何時、お迎えが来るか分からないぞ。努力しなさい。親切なものです。