般若心経1

語録提唱

般若心経1

2020-02-4

観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時
照見五蘊皆空 度一切苦厄
舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色
受想行識 亦復如是
  
観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時
観音菩薩が、深い般若波羅蜜多を行じ  
般若波羅蜜多というのは『無心』と訳しました。
観音様が深い無心を行じて、
  
照見五蘊皆空 度一切苦厄
五蘊は皆空であると照見して、一切の苦しみから救われた。
  
舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色
舎利子というのは、仏の十大弟子のシャーリプトラのことです。般若心経は、観音様がこのシャーリプトラに教えを説いたお経です。
   
シャーリプトラよ、色は空に異ならない。空は色に異ならない。色が空である。空が色である。
   
この『色』と『空』というのが、よく分からないですね。
『色』とは存在のことですが、ここではこの身体のことだと思ってください。
『空』とはそのものにありつぶれた、成りきった境地です。これが三昧です。
  
ありつぶれた、成りきった三昧とはどういう境涯か?
たとえば数息観をしている人ならば、自分が、数を、数えている、ようでは成りきっていません。数が、数を、数えるとなるまで数に徹する。
無字をやっている人なら、自分が、無を、称える、ではなく、ただひたすらに無ーーーと徹する。
そのものが、そのものに成る。分かれない、一体の境地が三昧です。
   
シャーリプトラよ、ありつぶれ、成りきった身体は空と異ならず、空とはありつぶれ、成りきった身体と異ならない。
三昧の『色』が『空』であり、『空』とは成りきった『色』である。
  
受想行識 亦復如是
受想行識の精神作用も、ありつぶれ、成りきれば同じく『空』である。