地獄と極楽

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地獄と極楽

2021-10-12

仏の教えを簡単な物語にしたものが説話です。『エンマさんの招待』という説話があります。ある人がエンマさんに地獄と極楽を覗かせてあげると招待された話です。

まずは地獄からと覗いてみると、部屋の真ん中においしそうなうどんが入った大鍋が置いてあります。その周りを沢山の人が囲んでいますが、その人たちの片手には長い箸が結び付けられています。うどんをすくって食べようとすると、箸が長いので、うどんは自分の後ろに行ってしまう。どんなに頑張って食べようとしても、うどんは口には入らず、ガリガリにやせ細っている。これが地獄かと震え上がったそうです。

次は極楽はと覗くと、やはり部屋の中央にうどんの鍋があり、その周りを沢山の人が囲んでいる。片手には長い箸が結んである。なんだ地獄と同じかと思っていると、その人たちはすくったうどんを、向かい側の人に食べさせてあげている。自分は向かいの人に食べさせてもらう。皆福々と太り、ニコニコしていたそうです。

 

地獄と極楽は、おかれた状況は全く同じです。ただ、他人を一番に考えるとそこが極楽になり、自分のことばかりだと、そこが地獄になるようです。心したいものです。