語録提唱

語録提唱

黄檗山断際禅師 伝心法要 序文

2016-04-13

黄檗山断際禅師 伝心法要 河東の裴休(はいきゅう)集め併(あわ)せて序す 大禅師あり、法諱(ほうき)は希運、洪州高安県黄檗山鷲峯の下に住す。乃ち曹渓(そうけい)六祖の嫡孫、百丈の子、西堂の姪なり。独り最上乗を佩(お)びて文字の印を離れ、唯、一心を伝えて更に別法なし、心体亦空にして万縁倶に寂、大日輪の虚空の中に昇って光明照耀、浄にして繊埃(せんあい)なきが如し。此れを証すれば新旧なく深浅なく、此れを説くに義解を立せず、宗主を立てず、戸庸(こよう)を開かず、直下(じきげ)便ち是、念を動ずれば即ち乖(そむ)く、然る後本仏と為す。故に其の言や簡、其の理や直、其の道や峻、其の行や孤なり。四方の学徒山を望...

無門関四十八則 乾峰一路(けんぽういちろ)

2016-03-31

四十八則 乾峰一路(けんぽういちろ) 乾峰(けんぽう)和尚因みに僧問う、十方(じっぽう)薄伽梵(ぼぎゃぼん)、一路涅槃門(ねはんもん)。未審(いぶか)し路頭甚麼(いずれ)の処にか在る。峰,拄杖を拈起して劃(かく)一劃(いっかく)して云く、者裏(じゃり)に在り。後に僧,雲門に請益(しんえき)す。門,扇子を拈起して云く、扇子勃跳(ぼつちょう)して三十三天に上って、帝釈の鼻孔に築著(ちくじゃく)す。東海の鯉魚(りぎょ)、打つこと一棒すれば,雨盆を傾くるに似たり。 無門曰く、一人は深深たる海底に向かって行き簸土(ひど)揚塵(ようじん)し、一人は高高たる山頂に立って白浪滔天(はくろうとうてん)す。把定(...

無門関四十七則 兜率三関(とそつさんかん)

2016-03-31

四十七則 兜率三関(とそつさんかん) 兜率(とそつ)悦(えつ)和尚、三関(さんかん)を設(もう)けて学者に問う、撥草(はっそう)参玄(さんげん)は只だ見性を図る。即今(そっこん)上人の,甚(いず)れの処にか在る。自性を識得すれば方(まさ)に生死を脱す。眼光落つる時作麼生(そもさん)か脱せん。生死を脱得すれば便ち去処(きょしょ)を知る、四大分離して甚れの処に向かってか去る。 無門曰く、若(も)し能(よ)く此の三転語を下し得ば、便ち以って隨処に主と作(な)り,縁に遇うて宗に即すべし。其れ或いは未だ然らずんば、麁食(そさん)は飽き易く、細嚼(さいしゃく)は飢え難し。 頌に曰く 一念普(あまね)く観ず...

無門関四十五則 他是阿誰(たはこれあたそ)

2016-03-31

四十五則 他是阿誰(たはこれあたそ) 東山(とうざん)演(えん)師祖(しそ)曰く,釈迦弥勒は猶(な)お是れ他(た)の奴(やっこ)。且(しばら)く道(い)え,他は是れ阿誰(あた)そ。 無門曰く,若(も)し也た他を見得して分曉(ぶんぎょう)ならば,譬(たと)えば十字街頭に親爺(しんや)に撞見(どうけん)するが如くに相似たり。更に別人に問うて是と不是とを道(い)うことを須いず。  頌に曰く, 他の弓挽(ひ)くこと莫(なか)れ,他の馬騎(の)ること莫れ。 他の非弁ずること莫れ,他の事知ること莫れ。 五祖法演禅師が修行達僧に説法した。釈迦も弥勒も他の僕(しもべ)である。答えて見なさい、他とは何者であるか...

無門関四十四則 芭蕉拄杖(ばしょうしゅじょう)

2016-03-3

四十四則 芭蕉拄杖(ばしょうしゅじょう)  芭蕉(ばしょう)和尚,衆に示して云く,你(なんじ)に拄杖子(しゅじょうす)有らば,我れ你に拄杖子を与えん。你に拄杖子無くんば,我れ你が拄杖子を奪わん。 無門曰く,扶(たす)かっては断橋(だんきょう)の水を過ぎ,伴(ともの)うては無月(むげつ)の村に帰る。若(も)し喚(よ)んで拄杖と作(な)さば,地獄に入(い)ること箭(や)の如くならん。  頌に曰く, 諸方の深(しん)と浅(せん)と,都(す)べて掌握の中に在り。 天を撐(ささ)え并(なら)びに地を拄(ささ)う,処(ところ)に隨って宗風を振るう。  芭蕉和尚が修行僧に説法して言うには、諸君に拄杖が有れば...

無門関四十三則 首山竹篦(しゅざんしっぺい)

2016-03-3

四十三則 首山竹篦(しゅざんしっぺい) 首山(しゅざん)和尚,竹篦(しっぺい)を拈(ねん)じて衆に示して云く,汝等(ら)諸人,若(も)し喚んで竹篦と作(な)さば則ち触(ふ)る。喚んで竹篦と作さざれば則ち背(そむ)く。汝諸人,且(しばら)く道(い)え,喚んで甚麼(なん)とか作さん。 無門曰く,喚んで竹篦と作さば則ち触る。喚んで竹篦と作さざれば則ち背く。有語(うご)することを得ず,無語(むご)することを得ず。速(すみ)やかに道え,速やかに道え。  頌に曰く, 竹篦を拈起(ねんき)して,殺活(せっかつ)の令を行ず。 背触(はいそく)交馳(こうち)す,仏祖も命を乞う。  首山省念(しょうねん)和尚が竹...

無門関四十二則 女子出定(じょししゅつじょう)

2016-03-3

四十二則 女子出定(じょししゅつじょう) 世尊(せそん),昔,因(ちな)みに文殊(もんじゅ),諸仏の集まる処に至って,諸仏各(おのお)の本処(ほんじょ)に還るに値(あ)う。惟(た)だ一りの女人有って,彼(か)の仏坐に近づいて三昧に入る。文殊乃ち仏に白(もう)して云く,何ぞ女人は仏坐に近づくを得て,我は得ざる。仏,文殊に告ぐ,汝但(た)だ此の女を覚して三昧より起たしめて,汝自ら之を問え。文殊,女人を遶(めぐ)ること三帀(さんそう),指を鳴らすこと一下(いちげ)して,乃ち托(たく)して梵天(ぼんてん)に至るまで,その神力を尽くすも出(いだ)すこと能(あた)わず。世尊云く,仮使(たと)い百千の文殊も...

無門関四十一則 達磨安心(だるまあんじん)

2016-03-3

四十一則 達磨安心(だるまあんじん) 達磨面壁(めんぺき)す。二祖雪に立ち,臂(ひじ)を断って云く,弟子心未(いま)だ安(やす)からず,乞(こ)う師安心(あんじん)せしめよ。磨云く,心を将(も)ち来たれ,汝が為に安んぜん。祖云く,心を覓(もと)むるに了(つい)に不可(ふか)得(とく)なり。磨云く,汝が為に安心し竟(おわ)んぬ。 無門曰く,欠(けつ)歯(し)の老胡(ろうこ),十万里の海を航(わた)りて特特として来たる。謂(いっ)つべし是れ風無きに浪を起こす。末後(まつご)一箇の門人を接得するに,又た却(かえ)って六根不具。咦(いい),謝(しゃ)三(さぶ)郎(ろう)四字(よじ)を識らず。  頌(じ...

四十則 趯倒浄瓶(てきとうじんびん)

2016-03-3

四十則 趯倒浄瓶(てきとうじんびん) 潙山(いさん)和尚,始め百丈(ひゃくじょう)の会中(えちゅう)に在って典(てん)座(ぞ)に充(あ)つ。百丈,将に大潙(だいい)の主人を選ばんとす。 乃ち請(こ)う首座(しゅそ)と同じく衆に対して下語(あぎょ)して,出格の者往く可し。百丈遂(つい)に浄(じん)瓶(びん)を拈(ねん)じて,地上に置いて問を設けて云く,喚んで浄瓶と作(な)すことを得(え)ざれ。汝喚んで甚麼(なん)とか作す。首座乃ち云く,喚んで木突(ぼくとつ)と作す可からず。百丈却(かえ)って山に問う。山乃ち浄瓶を趯倒(てきとう)して去る。百丈笑って云く,第一座, 山子(さんす)に輸却(ゆきゃく)...

第三十九則 雲門話墮(うんもんわだ) 

2016-01-21

三十九 雲門話墮(うんもんわだ)  雲門(うんもん)、因(ちな)みに僧問う、光明(こうみょう)寂照(じゃくしょう)遍(へん)河沙(がしゃ)。一句未だ絶えざるに門遽(にわか)に曰く、豈(あ)に是れ張拙(ちょうせつ)秀才が語にあらずや。僧云く、是(ぜ)。門云く、話墮(わだ)せり。後来(こうらい)、死心(ししん)拈じて云く、且(しばら)く道(い)え、那裏(なり)か是れ者(こ)の僧話墮の処。 無門曰く、若(も)し者裏(じゃり)に向かって雲門の用処(ゆうじょ)孤危(こき)、者(こ)の僧甚(なん)に因(よ)ってか話墮すと見得(けんとく)せば、人天の与(ため)に師と為(な)るに堪えん。若(も)し也た未だ明め...